広島大学 脳神経内科学 Hiroshima Univ. Clinical Neuroscience & Therapetics

教授より

丸山 博文教授の顔写真です

広島大学大学院医系科学研究科

脳神経内科学

教授丸山 博文

ごあいさつ

広島大学脳神経内科学の第4代教授として着任してほぼ7年が経ちました。昨年は広島でG7サミットが開催され、首脳が揃って原爆慰霊碑に献花する映像には感動を覚えました。しかしながら国際情勢は緊迫しており、人々の生活が改善するような平和的解決を祈念しています。

脳神経内科は脳・脊髄・末梢神経や筋肉が侵され、全身に症状がおよぶ疾患を内科的見地から総合的に診療します。パーキンソン病や脊髄小脳変性症・筋萎縮性側索硬化症といった神経変性疾患、多発性硬化症・重症筋無力症・ギランバレー症候群などの神経免疫疾患、さらに脳卒中・認知症・頭痛・てんかんといった頻度の多い疾患を含みます。このように対象疾患は多岐にわたるため、私たちは患者さんの話を十分聞いて、頭の天辺から爪先までしっかり診療することを基本にしています。それを元に病変部位や疾患を考え、検査・治療計画を立てます。また救急医療においても脳神経内科の関係する病態は多く、それらに対応するためチーム医療を推進しています。わが国は超高齢社会となり、私たちが担当する疾患への治療ニーズや重要性が増加しています。脳神経内科領域の診断技術は向上し、抗体薬をはじめとした新しい治療法が次々と実現されており、今後ますます発展していくと見込まれます。

広島大学脳神経内科学教室は、2023年9月で創設50周年を迎えました。これまで地域の医療に貢献するとともに、広島大学から世界に雄飛する人材を育成してきましたが、歴代教授の鬼頭昭三先生、中村重信先生、松本昌泰先生のご尽力の賜物です。大学の使命は臨床・教育・研究をバランスよく行うことです。このバランスがとれるように目配りしながら、「神経疾患の克服」を目標とします。私自身も原爆放射線医科学研究所の川上秀史先生の指導のもと研究に携わることで新たな発見をすることができました。今後も連携・意思疎通をキーワードに、明るくオープンで活気ある教室運営に努め、広島県のみならず日本における脳神経内科の発展に尽力していきます。上記の通り、脳神経内科診療は「医師の技量」の割合が非常に大きく、かつどんな場所でも力を発揮できるやりがいのある診療科です。出身大学に全く関係なく、神経疾患に対応しようとする情熱をもった方の参加をお待ちしています。

2024年1月1日