先輩の声
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本淨 貴絵
島根医科大学 1997年卒
私はカナダ、トロントに来て約15年になります。
家庭の事情等で2度広島に長期滞在中は、 医局先生方の多大なご協力で、臨床の勉強をさせて頂きました。
これまでトロントの2施設にて、認知症関連疾患の画像研究をして来ました。
周囲に恵まれ、一人娘の出産・子育てしつつ、研究プロジェクト参加と、2年間認知症外来の経験もできました。
その後異動の際には、ご多忙な丸山教授にも推薦状を戴き、現在はトロント子供病院の研究機関、Peter Giigan Centre for Research and Learningにて、集中治療医の元、ECMO後脳の影響を探る研究の一旦を担わせて頂いてます。
同じ脳画像の分析とスタートしましたが、対象年齢が大きく若返り、私には未開の地、この年から再挑戦中です。
長く海外に滞在し細々とやっている立場で、年の離れた後輩の方からこうして私に声を掛けて頂いている、これは広島大学脳神経内科の医局の懐の深さ、しなやかさであると常々感じています。
多様性が重んじられる時代、脳神経内科は既にそれを見据えた医局であると身を持って感じております。広島大学脳神経内科の益々の発展を祈念しております。 -
林 有紀
山口大学 2006年卒
医師6年目からは、子育てをしながら働いています。
自分の努力だけではどうにもできないことの連続ですが、職場や医局の先生方のご理解あってこそ、今も充実した日々を過ごせています。
脳神経内科は、ともすれば見過ごされる現象を拾い上げ、本質を見きわめる科です。 そして個々の患者さんにあった全人的な治療やケアをチームとして提供します。 文字どおり声なき声にも耳を傾けつづけるといった姿勢は、科としての共通としたやさしさとなり、医局をはじめとして、病棟や外来には温かさがあふれています。 職場の仲間から、患者さんから私は元気をもらい、どなたかへも還元する日々です。
目の前の患者さんのため、自分のためにがむしゃらに働く期間や、少しギアチェンジが必要な期間など、働くこと、生活することには様々なステージがあります。そのような意味でも、病気という困難に立ち向かう患者さんは、年齢を問わず我々の人生の先輩であり、こちらが学ぶことは多いと感じます。
私はこれからも人が生きることについて、医学的にも知識を深めていきます。 -
大林 瞳
広島大学 2008年卒
初期臨床研修後すぐに脳神経内科に入局して13年が経過しました。
その間、諸先生方の助言や医局人事での計らいにより、市中の急性期病院での後期研修、神経内科専門医取得、大学院進学・学位取得と色々な経験を積ませて頂くことができました。
大学院在学中には結婚・出産というプライベート面でも大きな変化がありました。
大学では病院業務面での配慮を得られやすく、研究も自分のペースで取り組めたこと、何より根気強くご指導を頂いたおかげで、学位取得をあきらめることなく乳幼児育児と両立することができました。
どのような働き方をしたいかということを気にかけてくださり、話やすい医局なので、 自分はこうしたいという希望を伝えることができます。 大学院卒業後は患者さんと関わる臨床に携わりたいと思ったのですが、子育てもしながら働ける場があるかということを医局に相談しました。 その結果リハビリ病院に勤務させていただくこととなり、仕事と家庭どちらも大切にする働き方をさせもらえており感謝しています。
また、医局には臨床や研究の最前線で活躍していたり、家庭や子育てとの両立に奮闘していたり、それぞれの目標に向かって頑張っている女性医師が沢山在籍していることも、 “自分もできることを頑張ろう”という励みにつながっています。
「脳神経内科に興味があるけど、働き方に不安がある」女性医師のみなさん、色んなロールモデルとなる先輩方がいるので安心して、飛び込んでみてください。 -
木下 直人
広島大学 2010年卒
学生時代から脳神経に興味があり、救急対応もありながら、その一方で内科的立場からじっくりと症例に関わることが出来る脳神経内科を選択しました。
後期研修2年目からは国立循環器病研究センターでの研修機会を頂き、3年間脳卒中診療に従事しました。
血栓回収療法によって脳梗塞診療が大きく変革していく時期と重なり、研究・臨床における学びもさることながら、情熱を持った多くの先生方のもとで貴重な時間を過ごすことが出来ました。
広島へ戻った後は、脳神経内科専門医・総合内科専門医に加え、脳神経外科の先生方のご指導や医局のサポートにより脳血管内治療専門医を取得することが出来ました。
現在勤務している県立広島病院では年間400例程度の脳卒中症例が入院し、40-50例程度のt-PA静注療法・血栓回収療法が行われています。
元気に退院される患者さんを見届けることが出来る喜びを感じる時もあれば、どうしようもない無力感に苛まれる時もありますが、とても充実した日々を過ごしています。
私の尊敬する上司は、脳神経領域にはどこまでもフロンティアが広がっているのだと力強く話されました。
開拓には共に困難に立ち向かう仲間が必要です。真面目で熱意のある先生方が、私たちのチームで一緒に働いて下さることを願っています。 -
松原 知康
広島大学 2011年卒
扱う疾患の幅広さや多彩なサブスペシャリティが用意されていることが脳神経内科の魅力の1つです。
私は、第一の目標として神経内科専門医取得を目指し、脳神経内科での研修を始めました。
研修中、上司の先生方や先輩方に恵まれ、診療の手法だけでなく、サマリーや論文の書き方に至るまで指導していただいて、とても手厚い環境で学ばせていただきました。
そして、専門医取得後の進路として、もともと診断学が好きだった私には、神経病理を専攻することを勧めていただきました。当初は、「え?病理!?」と驚きましたが、自分では気付けない自身の適性を見定めていただいたのだと思います。その予見どおり、やっているうちに神経病理の魅力にどっぷりとハマりました。
大学院で神経病理のいろはを教わり、さらには、東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンクへの国内留学の機会も与えていただきました。
長年にわたり丁寧に紡がれてきた剖検コホートの構築に微力ながらも加わらせていただけたのは貴重な体験でした。
そこでの経験をもとに、神経病理認定医の資格も取得することができました。
今後は臨床-病理の橋渡し役を担えるよう取り組んでいくつもりです。
改めまして、自分にこのような環境を与えていただいた広島大学脳神経内科教室の皆様に感謝申し上げます。 -
田金 裕一郎
鳥取大学 2016年卒
脳という臓器は数多くの謎があります。
学生の頃より非常に面白い分野だなと思っていましたが、実際に働き始めて患者さんを診察したり、様々な疾患と関わっていく内に脳の謎・不思議を体感することが多く、脳を専門に調べていく医師になりたいと思い、脳神経内科を志しました。
勉強するごとに奥深く、21世紀は脳の時代とも言われるように、これからより発展していく分野だと感じています。
従来、わからない・治らないと言われたような神経疾患が、新薬・デバイス・カテーテルなどの治療を行うことで積極的に治療することができるようになり、私が学生時代であった頃とも大きく離れて、神経分野が大きく発展しているのを肌で感じています。
現在大学院生として、神経難病の病態解明・治療法の探索について研究しています。
少しでもより良い未来が得られるように、医局の先生をはじめとして様々な先生方に相談・ご指導いただきながら、日々を過ごしています。